KAMINEスタッフブログ

腕時計用の留め具「Dバックル」とは?

腕時計のベルトと言えば、ベルト穴にピンを通して使用するピンバックルを想像する方が多いかもしれません。
実は腕時計のベルトの留め具にはこのピンバックルとDバックルの二種類がございまして、ご自身のお好みや使い易さに応じてお選び頂けることができます。

今回の記事は以下の内容になっています。
是非、関心のあるところだけでも読んでいただければ幸いです。

・Dバックルとは
・Dバックルの種類
・Dバックルの選び方
・Dバックルの取り付け方と脱着方法
・カミネ取り扱いのDバックル・革ベルト
・Dバックルが似合う!腕時計紹介
・まとめDバックルでより快適な腕時計へ

・Dバックルとは

Dバックルとはデプロイメント(Deployment:展開する)バックルの略称であり、ピンを穴に通して使用するピンバックルとは対照的に、バックルを初めからベルトに固定しているので、バックルの開閉のみで腕時計の脱着が行えるという優れものです。

Dバックルを使用すると腕時計の脱着が楽に行える事に加え、
ピンバックルを使用している腕時計に比べてレザーベルトが長持ちするという
メリットが有ります。
レザーベルトは天然素材で大変デリケートな品物、
ピンバックル型の腕時計を脱着する際の折り曲げる動作でさえも
革へのダメージに繋がります。

しかし、Dバックルはレザーベルトを折り曲げる動作が格段に少なく、
革自体に掛かる負荷も少ないので、
お使いのレザーベルトが長持ちするというメリットがございます。
その他にも、12時側と6時側のベルト同士がDバックルで常に繋がっている為、脱着する際のふとした瞬間に腕時計が落下するという危険も未然に防ぐ事ができます。

・Dバックルの種類

Dバックルは2種類の開き方に分けられます。
ワンタッチで開閉する事が出来る片開きタイプと、
観音開きの様に二方向からしっかり固定できる両開きタイプがございます。

両開きタイプ

片開きタイプ

片開きタイプは腕時計の脱着の際の動作が
ワンアクションで行えて便利な事に加え、
バックル自体の厚みも抑えられる為、
軽量で尚且つスッキリとした印象を得る事が出来ます。

反対に、両開きタイプは左右二方向から開閉するので、
片開きタイプに比べて装着動作がワンアクション増えますが、
安定した装着感と安心感を得る事が出来ます。
片開きタイプに比べて脱着する際のベルトの開きが大きい為、
手の大きい方もストレス無くご使用頂ける点がいいですね。

・Dバックルの選び方

今お使いの腕時計にはどちらのバックルが合うのだろうか、
と迷ってしまう方もいらっしゃるかと思います。

実際にDバックルを選ぶ基準としては先程ご紹介した両者の違いをご参考頂き、ご自身の腕時計の使い方や、
単純に見た目の好みでお選び頂くのも良いかと思います。
また、Dバックルをお求めの際はそれぞれサイズが御座いますので、
ご自身の腕時計に合うサイズをお確かめの上ご購入下さい。

カミネBis店では豊富なバックルを取り揃えており、
専門のスタッフが常駐していますので、
是非お立ち寄りくださいませ。ご相談もお聞きしますよ。

あくまで参考程度ではありますが、
頻繁に腕時計を着けたり外したりする事が多いという方や、
着ける動作をよりスムーズに行いたいという方には
片開きタイプがオススメです。

反対に、腕時計を一日中肌身離さず着けていて、
両方向から包み込まれる様な着け心地の良さや、
より良い安定性が欲しいという方には両開きタイプがオススメです。

・Dバックルの取り付け方と脱着方法

お使いの腕時計をDバックルに変更してみたいけれど、
どのように取り付けるのか分からないという方もいらっしゃると思いますので、ここではご自身で取り付ける方法とそれ以外の方法をご紹介致します。

【ご自身で取り付ける方法】

初めに準備として既に取り付けられているピンバックルを外す必要があります。基本的にほとんどの腕時計は、腕時計のベルト取り付け部分(ラグ)に小さな窪みや穴が空いていて、バネ棒と呼ばれる突っ張り棒の様なものを使ってベルトを取り付けています。

バックルも同様にバネ棒で取り付けられているので、バネ棒外しという先が二股になっている道具を使用して外すか、代用品としてつまようじ等の先の細長い物を使用しても良いかと思います。

そうして無事に取り外す事が出来たら、いよいよDバックルの取り付けです。

バネ棒をベルトに差し込んでDバックル側のバネ棒取り付け穴に片方をはめてから、もう片方を押し込みつつはめ込んで頂くことでスムーズに取り付けを行えます。

最後にご自身の腕周りに合わせて穴の位置を固定し、しっかりと外れない事を確認出来たら完成です。

【その他の方法】

弊社カミネではDバックルの取り付けや取り外しも承っておりますので、
腕時計と取り付けたいDバックルをお持ち頂けましたら作業させて頂きます。
カミネBis店ではDバックル単体やレザーベルトも多数取り揃えておりますので、ご希望の際は是非お気軽にご来店下さいませ。

・カミネ取り扱いのDバックル・革ベルト

弊社では様々なブランドのDバックルや革ベルトを
多数取り揃えておりますので、
ご自身のお好みに合わせたデザインやカラーを
組み合わせてお使い頂く事が出来ます。

中には革の素材・ステッチ・形状等、ご自身で自由に選んで頂ける
世界で一つだけのオーダーベルトを作成出来るブランドも御座います。

【1995年創業の日本ブランド“CASSIS”】
CASSIS(カシス)は1995年に日本で創業し、
20年以上に渡り腕時計のベルトを販売しているブランドです。
CASSISのレザーベルトは選んでいるだけで楽しくなる様な
豊富なラインナップに加えて、
様々なサイズに応じたDバックルも販売しております。
Dバックルのカラーも豊富で、
鏡面仕上げ・サテン仕上げ・ゴールド・ブラックと、
ご自身の腕時計にマッチするバックルを選択する事が出来ます。
お値段も比較的お手頃に設定されておりますので、
2本、3本と気分や用途別に購入されるお客様も多くいらっしゃいます。

【職人の伝統技術を感じるイタリアのブランド“MORELLATO”】

MORELLATO(モレラート)は1930年代に時計職人のGiulio Morellatoが
イタリアにて、それぞれの腕時計に合ったベルトがそれぞれに有って良いのではないかと思い立った彼が、
自身の着けている腕時計に目を向けてそれに合うベルトを作成した事により
スタートした歴史有るブランドです。

MORELLATOのレザーベルトは、
イタリアの伝統あるタンナーより送られてきた高品質の皮を
職人が一枚一枚厳選して使用し、
伝統工芸技術を基にした加工技術で製作しております。

MORELLATOのロゴが入ったオリジナルのDバックルも御座いますので、
単体で使用しても良いですし、
ベルトとブランドを統一して使用してもお洒落な雰囲気を演出してくれます。

カミネでは今回ご紹介したブランド以外にも
その他多数ブランドのレザーベルトやDバックルを販売しておりますので、
お探しの方は是非店頭にてお手に取ってご覧下さいませ。

・Dバックルが似合う!腕時計紹介

Dバックルが似合うと思う腕時計を3本ピックアップしてご紹介致します。

【カルティエ サントス】

カルティエのサントスは1904年に
ルイ・カルティエが友人の飛行家アルベルト・サントス・デュモンのために
作った腕時計です。
世界で初めて作られた現代風の腕時計とも言われていますね。
パイロットウォッチでありスポーツウォッチ、ドレスウォッチでもある
実用的なサントスは男性だけに留まらず、
女性からの支持も多い腕時計です。

現行のサントス ドゥ カルティエには基本的に購入時に
レザーベルトとDバックルが付属致しますので、
ブレスレットから付け替えてご使用頂いても外観を損なわず
着脱がスマートに行えます。
シャープなデザインであるところからもカルティエらしさを放っています。

【ショパール L.U.C】

1996年にショパールの自社製ムーブメント(Cal.L.U.C1.96)と、
そのムーブメントを搭載するコレクション「L.U.C」の製造をする、
ショパールマニュファクチュールがスイスのフルリエに設立されました。

L.U.Cは時計の裏蓋にサファイヤクリスタルガラスを使用しており、
時計業界でも評価の高い美しい自社製ムーブメントを目見てお楽しみ頂けます。

L.U.Cはほとんどのモデルにピンバックルを採用しておりますが、
先程ご紹介させて頂いたCASSISのDバックル等を取り付けて
ご自身のお好みでカスタムしてご使用頂くこともできます。

【パテックフィリップ カラトラバ】

パテックフィリップのカラトラバは今や数多くのブランドが出しているドレスウォッチのお手本とも言える腕時計で、
「世界の丸形時計の規範」とも称されております。
その歴史は1932年に初代カラトラバ(Ref.96)に始まり、
現在もなお販売されているロングセラーのコレクションです。
Ref.96の直系モデルは先日ディスコンとなりましたが、
「カラトラバ」の冠が付く時計は生産が続いています。
またRef.96直系モデルが出ることが期待されています。
話が逸れてしまいましたが、コレクション名の「カラトラバ」は
12世紀に誕生したスペインのカラトラバ騎士団が由来となっており、
四つの百合の花を組み合わせて出来た「カラトラバ十字」は
パテックフィリップのブランドロゴになっております。
その名前が一つのコレクションとして名付けられている様に、
カラトラバというタイムピースは正にパテックフィリップの代表的なシンボルとも言えるでしょう。

カラトラバには基本的にピンバックルが付いたモデルが多いですが、
パテックフィリップ純正のカラトラバ十字が施された片開きDバックルを
別途ご購入頂き、それに付け替えて使用するのもお洒落かと思います。

・まとめ~Dバックルでより快適な腕時計へ

お使いのレザーベルトの腕時計にDバックルを取り付けるだけで
着脱のし易さが向上する上に、
万が一の落下防止にも一役買ってくれる事でしょう。

レザーベルトの寿命も長くなる他に、
見た目のスマートさもプラスオンされますので、
是非この機会にご自身の腕時計をDバックルに
変更してみてはいかがでしょうか。

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COLUMNコラム

篠田哲生

最高峰の時計ブランド「パテック フィリップ」の魅力とは何だろうか?
数々の仕事を通じてこのブランドに出会い、魅了され、遂にはユーザーとなったライター、ウォッチディレクターの篠田哲生氏が、自身の目と経験から感じた、"パテック フィリップのこと"について語る。

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