Vol.2
バーゼル・ワールドとパテック フィリップ

 僕が雑誌「タイムシーン」(徳間書店)のスタッフとしてスイス出張に行くようになったのは、2006年からだ。当時はバーゼルでの「バーゼル・ワールド」とジュネーブでの「ジュネーブ・サロン(S.I.H.H)」が同時期に開催されており、約三週間にわたる長期の取材旅行だったが、初めて訪れるスイスは何もかもが新鮮で、取材期間はあっという間に過ぎ去っていった。

 特に圧倒されたのはバーゼル・ワールドの規模。大きな見本市会場の中に各ブランドが世界観を表現したブースを構え、そこで新作時計のプレゼンテーションを行う。ブースの位置や大きさは、ブランドの力と深い関係があるのだが、パテック フィリップは中央通りの真ん中。まさにバーゼル・ワールドの中心に巨大なブースを構えていた。その堂々たるオーラからしても、まさにスイス時計の最高峰ブランドであることを感じさせた。

 しかも発表された新作時計にも驚かされた。今でこそ時計業界の新常識となりつつある「シリコン製のヒゲゼンマイ」を、世界に先駆けて実用化させたのだ。クラシックでオーセンティックなイメージのあるパテック フィリップは、実は様々な新技術を積極的に取り入れる革新的なブランドでもあったのだ。

 それから新型コロナウイルスで中断するまでの2019年までの13年間にわたって、バーゼル・ワールドを取材してきたが、会場に足を運ぶといの一番にパテック フィリップのブースで新作時計をチェックするのが決まり事となった。それはここにスイス時計の正しい進化の姿があるから。もちろん大胆不敵に進化する新興ブランドも面白いが、パテック フィリップの場合は、ケースのサイズやデザイン、あるいは複雑機構などスイスの高級時計がどこへ向かおうとしているのかを正しく理解することができる最高の指標だったのだ。・ワールド」でより強固なものになるのだった。

 ではなぜパテック フィリップはスイス時計の中心であり続けられるのか? その謎を解くために、ジュネーブへと移動日を利用して市内の時計名所へと向かうのだった。(Vol.3へ続く)

COLUMN

最高峰の時計ブランド「パテック フィリップ」の魅力とは何だろうか?
数々の仕事を通じてこのブランドに出会い、魅了され、遂にはユーザーとなったライター、ウォッチディレクターの篠田哲生氏が、自身の目と経験から感じた、"パテック フィリップのこと"について語る。
【今後の連載予定コンテンツ】
■モンブラン橋のパテックフィリップ本店  ■手にして理解したパテックフィリップの効能  ■やっぱりに気になる「カラトラバ」Ref.5196  ■旅を夢みて「ワールドタイム」  ■女性だったら「Twenty~4」  ■マニアックな味があるセンターセコンドの「カラトラバ」  ■挑戦してみたいバゲットダイヤ×パテック  ■新型ムーブメントの「カラトラバ」  ■憧れの「手巻きのクロノグラフ」  ■究極のコレクションピース「クロック」

 

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