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緊急速報!グル―ベル・フォルセイ 2019最新作『GMT クアドラプル トゥールビヨン』

トゥールビヨンの始まりである『1分間に1回転させることによりキャリッジが時計の“心臓部”の姿勢差誤差を解消し、等時性を確保する

これをロバート・グル―ベル氏とステファン・フォルセイ氏は、計時の精度を追求する過程で、トゥールビヨンの原理をあらためて検証し、ダブル トゥールビヨン30°(2004年)クアドラプル トゥールビヨン(2005年)トゥールビヨン 24セカンズ(2006年)というブランドを象徴する3つの本質的要素を考案しました。

さらにこの度、2人の時計職人は自身にとって2つ目の画期的な発明であるクアドルプル トゥールビヨンを再解釈し、複数の時間帯表示を組み合わせることでさらなる進化を図りました。重力の影響を解消するために考案された独創的なシステムが地球の周りを4回転することは歴史とテクノロジーの賛辞と言えるでしょう。

 

 

 

極めて複雑なメカニズム


調速機構が移動する姿勢の数が多いほど、時計の精度は向上するという原則に基づき、ロバート・グル―ベル氏とステファン・フォルセイ氏はスフェリカル デxファレンシャル機構を備えたクアドラプル トゥールビヨンを発明しました。最初のアイデアがひらめいた時からコンセプトは明確でした。
4つのトゥールビヨンを連動させることは極めて困難であったものの、彼らはより簡潔な解決策を追求しました。立体構造を採用することでスペースを削減するため、トゥールビヨンを独創的なシステムによるコンパクトなキャリッジの中に2つ一組で収納することは実現には困難を極めました。
2つのシステムはそれぞれ30°傾斜して1分間に1回転する第一キャリッジが4分間に1回転する第二キャリッジに収納されているダブルトゥールビヨンを30°をモデルにしています。30°傾斜した内側キャリッジと2つのキャリッジの異なる回転速度により、腕時計があらゆる位置、とりわけ安定位置にある場合の地球重力に起因する誤差を解消します。各トゥールビヨンはスフェリカル ディファレンシャル機構に連結されており、それぞれが独自に安定したポジションで信頼性の高い歩度を実現しています。このシステムについては2つの特許が出願されています。

 

手首に天体を演出する


トゥールビヨンに精通するロバート・グル―ベル氏とステファン・フォルセイ氏はそれ以外の機構についても再検証し、ニュースタイルを提案しました。その一つが、複数の時間帯を一度に表示すること。2011年、GMTという画期的なタイムピースにより日常的な機能に対する独自のビジョンを表現しました。その最新作が『GMT アース』です。この特許取得済システムでは、独立したサブダイヤルにより第二時間帯が表示され、さらにユニバーサルタイム表示では世界各地の時刻を直感的に読み取ることができます。大きな地球が実際の自転に忠実に24時間で1回転します。

 
印象的な3次元構造

クアドラプル トゥールビヨンとGMT機構を融合する過程で、グルーべル・フォルセイは極めて重要な技術課題を克服し、高速回転する3つの香箱を含む805個の部品からなる新たな手巻き式キャリバーを考案しました。さらに、創造的な時計職人は建築学的な角度からこの課題にも取り組み、このタイムピースに至るところ3次元的なアプローチを取り入れています。

 


1時と2時の間に設けられたメインの時・分サブダイヤルはダイヤルの最上部にあり、ケースの非対称面と72時間パワーリザーブ表示がその存在感を際立たせます。

 

次の階層は4時位置にある同軸のスモールセコンドと第二時間帯表示であり、プッシュボタンによって一時間刻みで調節することができます。さらに8時と9時の間には、地球の自転運動という壮大な光景を眺められる小窓があります。その周りには赤道周りに24時間リングがあしらわれているとともに、あらゆる緯度のローカルタイムと昼夜の区別(明色/暗色による視覚化)が表示されています。

 

 

 

 

ケースの非対称面にある小窓からは、赤道と南半球の壮大な光景を眺めることができます。シースルー構造が特徴的な4つのトゥールビヨンは2つ一組で地球の両端にポリッシュ仕上げが施されたブラック平面ブリッジによって固定され、ゴールドシャントンの装飾と手仕上げのポリッシュ仕上げによる面取りとカウンターシンクが施されています。

 

 

まさに魅力的で極めて優美なコレオグラフィーと言えます。

 

実用的かつ芸術的なケースバック


ケースバックでは、昼夜の区別複数の時間帯からなる主要24都市の3文字略称を備えた固定式24時間リングによってユニバーサルタイムを確認することかできます。このディスクは、サマータイム(夏時間)を導入している都市で明色で、導入していない都市では暗色で表示することで視覚的に区別しています。
また、ケースバックからはクアドラプル トゥールビヨンとゴールドシャントンに貴石があしらわれたフロスト仕上げのブリッジを眺めることができます。ダイヤルとケースバックを保護する複雑な非対称型の2つのサファイアクリスタルもまた、その成型に最高の技術を要します。

 

 

コンテンポラリーなデザインを備えた傑作は世界で66本の限定モデルです。そのうち、最初の11本はホワイトゴールド製で、ダイヤル中央のプレートには、01/11から11/11までのシリアルナンバーが割り当てられています。

 

GMT クアドラプル トゥールビヨン、それはグル―ベル・フォルセイによる高度なテクノロジーと大胆な芸術性の新たな出会いです。


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COLUMNコラム

篠田哲生

最高峰の時計ブランド「パテック フィリップ」の魅力とは何だろうか?
数々の仕事を通じてこのブランドに出会い、魅了され、遂にはユーザーとなったライター、ウォッチディレクターの篠田哲生氏が、自身の目と経験から感じた、"パテック フィリップのこと"について語る。

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