Patek Philippe Floorブログ

パテック フィリップ プラチナモデルの控えめながら大きな主張

近年よく知られるようになりましたが、
パテック フィリップのプラチナケースには、
例外を除き6時位置のラグとラグの間に小さなダイヤモンドが
一粒埋め込まれています。
最もこれはずっと以前からではなく、1999年以降の事のようです。
このいきさつがパテック フィリップマガジンの最新号に
ティエリー・スターンの言葉として書かれています。

パテック フィリップ 現社長のティエリー・スターン氏は
「その頃、文字盤に記載しなくてもプラチナ仕様だと分かるようにするには
どうしたらいいだろう、と父と話していました。私たちが考えたのは、
大げさなものではなく、どの時計にもマッチする控えめな印でした。
いろいろなアイデアを検討しましたが、突然、父が
『ケースのどこかに小さなダイヤモンドをつければいいんじゃないか?』
と言いました」

こうしてこのアイデアが具現化される事となりました。

パテック フィリップ インターナショナルマガジン
VOLUMEⅣ NUMBER11 28ページより

さらにマガジンにはこう書かれています。宝石によるこの控えめな目印は、1999年、限定製作のプラチナ仕様パテックフィリップ年次カレンダー5056モデルでデビューした。当時の資料は述べる。「1999年に250個のみ製作されたこの特別なタイムピースは、6時位置のラグ間に慎ましくセッティングされたダイヤモンドが特徴的であり、これがパテックフィリップのプラチナ時計を見分ける新しい方法となっている。」

パテック フィリップ インターナショナルマガジン
VOLUMEⅣ NUMBER11 29ページより

例外を除き(例外とはこの位置にプッシュボタンやスライドピースがある場合)オーナー自身最も見えやすいが他人は見えにくい位置セッティングされているという、この控えめな特別感がパテック フィリップのプラチナを所有しているという大きな満足感となるのです。

プラチナは純度950と高く、貴金属として硬質で加工が大変難しい素材であるためプラチナケースを製造する工作機械パーツや工具は他の物と違った物を活用しなければなりません。

プラチナは原子番号78の元素であり、単体では白い(銀色)金属として存在します。金と同じく王水以外には溶けず、科学的に非常に安定した金属であるため、装飾品に広く使われます。
日本語では白金(はっきん)と呼ばれ、直訳するとホワイトゴールドとなる為混乱することがありますが、金とは違う金属です。
これまでに算出されたプラチナの総量は約4000トン、これは金と比べても26分の1という希少さです。
金と同様、時計のケース素材としても使われ、パテック フィリップでも歴史的にプラチナ製のモデルが現代までいくつか存在しています。

稀少な素材にささやかな特別感が与えられているパテック フィリップのプラチナモデルの時計に是非注目してみてください。

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COLUMNコラム

篠田哲生

最高峰の時計ブランド「パテック フィリップ」の魅力とは何だろうか?
数々の仕事を通じてこのブランドに出会い、魅了され、遂にはユーザーとなったライター、ウォッチディレクターの篠田哲生氏が、自身の目と経験から感じた、"パテック フィリップのこと"について語る。

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