Patek Philippe Floorブログ

正に現代のアート パテック フィリップ社の希少なハンドクラフト

今年もWatches and Wonders の会期中にパテック フィリップ ジュネーブ本店サロンで開催された「希少なハンドクラフト展」に行ってまいりました。

1839年から永々と継承されるパテック フィリップ ブランド。

その製品群の中でも特に芸術性が高い希少なハンドクラフト。希少なるハンドクラフトから生み出されるその素晴らしさは正に現代のアートと呼ぶにふさわしい逸品の数々です。

この展示会は、腕時計、懐中時計、ドーム・テーブルクロック、テーブルクロックの“ユニークピース”と“リミテッドエディション”(多くはただ1点のみしか製作されません)が、世界中のコレクターに納品される前に鑑賞できる唯一の機会です。

消滅の危機に晒されている希少な技術で完成される創作品の数々は息をのむほど美しく、次々と写真に納めたくなります。

手彫金、クロワゾネ七宝、ギョシェ装飾の上に施されたフランケ七宝、パイヨネ七宝、木象嵌など様々な伝統的工芸テクニックを駆使したアートピースが極めて限定的に製作されています。

パテック フィリップでは、このような希少なハンドクラフトを保護育成しており、中には数世紀以上に亘って継承されてきた伝統技術もあります。

会場ではハンドクラフトアーティストのデモンストレーションがおこなわれており高度なテクニックを間近に見る事も出来ました。

手彫金(5160Gの裏蓋)
パイヨネ七宝の金製装飾小片
エナメルダイヤルに使用されるカラフルな金属釉

こちらの時計は木象嵌(もくぞうがん)と呼ばれる技術で製作されています。
木象嵌は、象(かたど)って嵌(は)め込むという意味合いがあり、日本でも飛鳥時代から伝来していた技術。

近年ではイタリア・フィレンツェを中心に伝承されています。

風景や動物のシルエットを観察し、いかに生命と動きを再現するかを考え、線画から描かれます。

カリフォルニアのビーチを歩くサーファーの姿が描かれたこのタイムピース。職人の目に映った光景が小さな作品に忠実に表現されていると考えるだけで感銘を受けます。

動画はパテック フィリップ公式Instagramから是非ご覧ください▼
Patek Philippe(@patekphilippe) • Instagram写真と動画

その中でも特に魅了されたのが
ミニット・リピーター・ワールドタイム
Ref.5531「LAKE THUN」。

2017年に発表された5531モデルはこれまでレマン湖を題材にしたクロワゾネ本七宝文字盤や、ニューヨーク、シンガポール、昨年のウォッチアート・グランド・エキシビション(東京)の限定エディションなどごく僅かに製造され、世界中のコレクター垂涎のモデルです。

今回発表されたモデルは、スイスではジャコメッティに並び、クリムトに匹敵するとも言われる巨匠“フェルディナント・ホドラー”の描いたトゥーン湖の美しくも幻想的な情景がクロワゾネ本七宝で表現されています。

フェルディナント・ホドラーについては、以下の外部サイトをご参照ください▼
フェルディナント・ホドラー – artNote – | artstudio WhitePallet

ホドラーは1911年~1957年頃まで長きに亘って発行されたスイスの50フラン紙幣に描かれた「木を伐る人」の作者としても知られています。(現在の紙幣は第9次紙幣となるため、異なるデザインです)

兵庫県立美術館のウェブサイトより

出身地のベルン、スイスアルプスの自然を描いた作品も多く残しており、その中でも朝焼けに染まる曙色の空を描いた作品が選ばれたようです。

オリジナルの独特な淡く風情ある色調がクロワゾネ本七宝によって見事に再現されています。

ミニット・リピーター・ワールドタイム
Ref.5531「LAKE TUNE」

18KRG(40.2mm) 自動巻
キャリバー R 27 HU
2本のクラシック・ゴングを備えたミニット・リピーターワールドタイム 24時間表示

フェルディナント・ホドラー作のトゥーン湖を描いたクロワゾネ本七宝の文字盤センター。 18金ゴールドの文字盤プレートと24時間表示リング。

是非、カミネ トアロード本店2Fのパテック フィリップ・フロアにて、Watches and Wonders 2024の最新情報をお尋ねください。

ご来店をお待ち申し上げております。

カミネ トアロード本店2F
パテック フィリップ・フロア

PATEK PHILIPPE – パテック フィリップ ウォッチコレクション
https://www.kamine.co.jp/watch/patek-philippe/

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COLUMNコラム

篠田哲生

最高峰の時計ブランド「パテック フィリップ」の魅力とは何だろうか?
数々の仕事を通じてこのブランドに出会い、魅了され、遂にはユーザーとなったライター、ウォッチディレクターの篠田哲生氏が、自身の目と経験から感じた、"パテック フィリップのこと"について語る。

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