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【ブレゲ250周年 時の引き出し展】伝説の懐中時計“マリー・アントワネット”が語る時計史の傑作とは?

250 周年記念の新作商品の発表とともに「Les Tiroirs du Temps~時の引き出し」とタイトルした企画展が銀座のニコラスGハイエックセンターにて期間限定で行われました。

会場は14階、事前予約制ではありましたが多くのお客様でにぎわっていました。銀座の中心地を見下ろすロケーション。ベルサイユのばらとのコラボビジュアルがお出迎え。

エキシビション会場では、250周年記念の新作商品をいち早く展示、

今回注目されるのはスイス ブレゲ社より特別に取り寄せた「マリー・アントワネット」の名で呼ばれる超複雑懐中時計のレプリカ「No.1160」も展示です。

アブラアン-ルイ・ブレゲ(1747~1823)の最高傑作として知られるのが「マリー・アントワネット」と呼ばれる超複雑時計「ブレゲNo.160」です。

1783 年、フランス王妃マリー・アントワネット(1755~1793)の護衛官とされる人物がパリ市内のブレゲの工房を訪れ、期限も費用も制限なしに、当時知られた複雑機構をすべて盛り込んだ時計を作ってほしいと注文しました。

注文を受けてから44年、王妃の死から34 年を経て2代目アントワーヌによって完成したこの時計は、その後も数奇な運命をたどり、数々の伝説を書き綴ります。

もしマリー・アントワネットが存命であれば73歳で対面していたNo.160ですがその後様々なオーナーの手に渡り、熱狂的なブレゲコレクターであるデイビットサロモンズ卿の手に渡ります。

彼は100点以上のブレゲを所有するコレクターで著書を残すほどのブレゲ愛好家でした。彼の死後、娘のヴィラ・サロモンズが『LAメイヤー記念イスラム美術館』を設立。40点のブレゲの時計を寄贈しました。
美術館の保管場所は外からは入れない特異な構造のはずが、1983 年に美術館からNo.160を含む40点のブレゲ作品は窃盗団に奪われてしまいました。

メゾン・ブレゲは、No.160復元に2005 年から取り組み、実物を分解して詳細に調べる機会を得ないまま、過去の資料を頼りに独力で2008 年に完成させました。それが今回展示されていた『No.1160』です。

No.1160の完成から程なく、2007年にオリジナルのNo.160は窃盗主の死去により発見。あまりにも高価な時計の為、売却されず保管されていました。

創業者の偉大な遺産を継承し、現代最高の技術が駆使して作られ21 世紀の「マリー・アントワネット」も、時計史に新たな1ページを書き加える傑作です。

今回展示されている『No.1160』そのBOXにもストーリーがあります。

3500個ものパーツで作製された寄木細工のBOX
ベルサイユ宮殿のオークの木が原材料になっております。

薔薇を持つ王妃の手をモチーフにからくりで開閉する蓋の下に時計を収納スペースがあります。寄木細工のデザインは宮殿の床がモチーフになっています。

ブレゲの様々な発明が、現在の時計製造の芸術にインスピレーションを与えていることを感じられたエキシビジョンでした。
是非カミネにて実際にブレゲに触れていただき、歴史を感じて見て下さい。

Breguet(ブレゲ)ウォッチコレクション
https://www.kamine.co.jp/watch/breguet/

カミネ 旧居留地店
〒650-0036
神戸市中央区播磨町49 旧居留地平和ビル1F
078-325-0088
10:30~19:30 (不定休)
https://www.kamine.co.jp/shop/maison/

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COLUMNコラム

篠田哲生

最高峰の時計ブランド「パテック フィリップ」の魅力とは何だろうか?
数々の仕事を通じてこのブランドに出会い、魅了され、遂にはユーザーとなったライター、ウォッチディレクターの篠田哲生氏が、自身の目と経験から感じた、"パテック フィリップのこと"について語る。

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