KAMINEスタッフブログ

男のロマン!クロノグラフ

クロノグラフを作っていないブランドは存在しないと言っても過言ではないほど
多くのブランドが製作している機構「クロノグラフ」
今回はクロノグラフの使い方や歴史、そしてクロノグラフの種類など、
男のロマン、魅力が詰まったクロノグラフについて
掘り下げていきたいと思います。

この記事は

から成っています。
是非気になるところだけでも読んで頂けると幸いです。

クロノグラフってなに?

クロノグラフとは簡単に言ってしまえば「ストップウォッチ」付の時計です。

見た目はこのような感じで、
文字盤の中に小さなカウンターがあり、
リューズの上下にプッシュボタンが付いているものが多いです。

デザイン的にもどこか機器という側面を強く感じる、
機械好きにはたまらないデザインですね。

クロノグラフの使い方

クロノグラフの操作はリューズ上下のプッシュボタンで行います。
「スタート/スップボタン」を押すと中央のクロノグラフ針が動き出します。
再度押すことでクロノグラフ針が停止し、
その時点までの経過時間が分かります。
ボタンを押すことで何度でもスタート/ストップを繰り返すことができます。

リセットボタンを押すことで、クロノグラフ針と積算計の針が
ゼロにリセットされます。

ここからは写真に番号を振り、各ファンクションを説明します。

  1. クロノグラフ針
    文字盤中央に設置されることが多いクロノグラフ作動中の「秒」を計測する針。60秒で1周する。
  2. スタート/ストップボタン
  3. リセットボタン
  4. 30分積算計
    クロノグラフ作動中の「分」を計測するための積算計 30分で1周する。
  5. 12時間積算計
    クロノグラフ作動中の「時」を計測するための積算計、12時間で1周する。

何となくでも各部の役割が分かりましたでしょうか。

また、クロノグラフ針は時計の秒針と間違えがちであるので
お気をつけください。
この時計に関しては9時位置、60の数字が付いたカウンターが秒針です。
クロノグラフが搭載されているモデルの秒針の多くはスモールセコンドで表していることがほとんどです。
かくいう私も恥ずかしながらクロノグラフを実際に触るまではその点を間違って認識していました…

クロノグラフの歴史

世界で最初のクロノグラフは、19世紀に天文学の研究のために制作されたものと言われています。
星が望遠鏡のレンズを横切る正確な時間を計るのに使われたそうですよ。
なんともロマンティックではないですか?

まだ腕時計もない時代、科学者や研究者にとって正確に時間経過を計ることはとても重要なことであり、課題としてもあったのです。
そう思うと、クロノグラフの機構の発展は
人類の発展といっても過言ではないでしょう。

また、その前にはフランス王ルイ18世の依頼により
競馬のスタートからゴールまでを記録するために
制作されたというものもあります。

その時計は回転する文字盤にペン先を置き、
経過時間を書いて記すという仕組みです。

このことから、古代ギリシャ語の“CHRONOS(時間)”と”GRAPHOS(書く)“を組み合わせたクロノグラフというのが語源と言われています。

20世紀にはいると自動車や航空機の発展とともに、腕時計も発展。
速度の計測や、航行距離の計測、燃料残量の計算などを目的に
様々なメーカーが競うようにクロノグラフ搭載腕時計を開発しました。

ここからは航空業界と結びつきの深い、
「ブライトリング」のクロノグラフ搭載腕時計を例にあげ、
クロノグラフの機能性等をご紹介いたします。

クロノグラフの種類

一口にクロノグラフといっても、カウンターの数や計測するものの違いで様々な種類があります。

・カウンターの並び、数

一般的なクロノグラフを思い浮かべると、
横に並んだ3つのカウンターのものをイメージされると思います。
クロノグラフの多くがこのデザインですね。

これが縦の並びになると少しスポーティでよりスタイリッシュな印象に。

ブランドロゴが3時位置側に配置されるのも
デザイン上でアクセントになっています。

カウンターが2つのものはよりクラシカルに。
12時間積算計がなくなりスッキリと上品な文字盤になります。

同じクロノグラフでも、メーターの種類も様々です。

・様々なメーター

文字盤の外周にある目盛り。
この目盛りも、計測するものによって様々な種類があります。

タキメーター

時速と平均速度を計測することができ、
モータースポーツや、飛行実験、宇宙飛行などで使われてきた機能です。
1㎞の距離を走行したときの時速を知ることができます。

計り方はいたってシンプル。

走行開始と同時にストップウォッチをスタートし、1㎞進んだところでストップ。
クロノグラフ針が指したタキメーターの数字が時速になります。
上の写真のように指している場合は時速200㎞になります。

日常で時速を計ることなんかないと思ったあなた!
タキメーターは時速だけでなく、なんと生産量も計ることができます!

1つのものを作るのに30秒かかったとします。
そうするとタキメーターは120を示します。

つまり、1時間では120個作れる計算になります。

30秒→1個
1分 →2個
60分→120個

いかがでしょう?
色々計れる気がしてきませんか?
ぜひ日常でもタキメーターを活用してみてください!

テレメーター

距離を測ることができ、
光と音の速度の違いから距離を割り出します。
元々は軍事用に使われていました。

「大砲」の発砲の光を見た瞬間にクロノグラフをスタートさせ、発砲音が届いたときにストップする。

このときにクロノグラフ針が指している数字が大砲までの距離になります。
現在でも使える使途としては「雷」の距離を計測することができます。
大砲と同じ要領で「雷」が光った瞬間にクロノグラフをスタートさせ、
音が届いたときにストップする。
クロノグラフ針が指している数字が、雷の落ちたところまでの距離です。

パルスメーター

1分間の脈拍数を計測できます。
医療での脈拍数は1分間の回数を計測しますが、
クロノグラフでは「15脈拍用」「30脈拍用」など
基準となる回数が設定されています。

上記のモデルは「30脈拍用」
脈拍を数え始めると同時にクロノグラフをスタート、
30回の脈拍を数えた時点でストップさせます。
クロノグラフ針が指した数字が1分間の脈拍数です。

元々は医師が使う用の時計にパルスメーターを備えるものが作られ、
「ドクターズウォッチ」と呼ばれていました。

現在はスポーツ用として使われることが多いです。

・様々な機構

フライバッククロノグラフ

クロノグラフの基本の操作は、
スタート→ストップ→リセット→リスタートですが、
フライバック・クロノグラフは、
計測中にリセットボタンを押すことでクロノグラフ針が瞬時にゼロ位置に戻り、
リスタートすることができる機構です。

クロノグラフの再計測がすぐに行えるわけですね。

針が飛ぶように戻ることから「フライバック」の名前が付けられました。
この機構が必要とされたのは、主に軍のパイロットたちでした。
素早い時間の計測が求められるパイロットたちに、
分厚いパイロットグローブをつけて何度もプッシュボタンを押す動作を行うことは難しく、それを解決するために開発されました。

スプリットセコンド・クロノグラフ

ラトラパンテ」とも呼ばれるこの機構は、
同時に2つの時間計測が可能なクロノグラフで、トゥールビヨン、ミニッツリピーターに並ぶ複雑機構として数えられています。

上記のモデルをご覧いただければ分かりますが、
クロノグラフ針が2本あるのと、
リューズにもボタンが追加されているのが特徴です。

どのように動くかと申しますと、

クロノグラフをスタートさせると2本の針が重なって動き出します。
その後、リューズについたプッシュボタンを押すことで、
スプリットセコンド針が停止。
※2つ重なった下側の針

その時点までの経過時間がわかります。

もう一本のクロノグラフ針はそのまま動き続けており、
リューズ上のスタート/ストップボタンを押すとこちらも停止
※2つ重なった上側の針

2つの時間を計測することができます。

そして再度リューズのプッシュボタンを押すことで、
停止しているスプリットセコンド針がクロノグラフ針に瞬時に追いつきます。
リセットボタンを押すと2針ともゼロ位置に戻ります。

ちなみに、ラトラパンテは「追いつく」というフランス語が語源です。

スプリットセコンドは、
スプリット=分割、割る
セコンド=秒
2つの針が分かれる様がそのまま名前になっています。

同じクロノグラフでも様々なメーターや、
様々な機構があることが分かりましたね。

クロノグラフの代表的なモデル

・クロノマット

1942年に発表された、回転計算尺付きベゼルが特徴のモデルです。
数字が刻まれたベゼルを回転させることで
掛け算、割り算の計算が行える対数式計算尺を備えています。
名前の由来も、“CHRONOGRAFE(クロノグラフ)” + “MATHEMATICS(数学)” と機能がそのまま名前になっています。

このモデルをベースに1952年、回転計算尺を航空用に対応させた計算尺を搭載したナビタイマーが開発されます。

現在のクロノマットの元となったモデルは、
1983年にイタリア空軍のアクロバット飛行チーム、
「フレッチェ・トリコローリ」の為に制作されました。
開発にあたりプロパイロットたちの意見を徹底的に反映させ
制作に役立てました。

例えば、ベゼルについたライダータブ。
クロノマットの特長的なディテールです。

パイロットがコクピットを開けるときに
時計を金属のフレームにぶつけてしまい、
時計のガラスが割れてしまうことがある。という意見が出た際、
ベゼルよりガラスを低く設置し、4つのライダータブでベゼルを保護することで
この問題を解決しました。
実際のプロパイロットからの声が無ければこの問題も
なかなか改善されなかったでしょう。

また、ライダータブの15分おきの刻印(15、30、45)のうち、15分・45分位置のタブを交換することで、カウントアップ・カウントダウンを可能にしました。

このようにしてクロノマットは“プロフェッショナルのための計器”のブランド哲学を体現したモデルとして誕生しました。

そして下の写真は現行のクロノマット

こちらが現行のクロノマット。

クロノマットの象徴的なディテールであるライダータブとルーローブレスレットが2020年に復活しました。
フランス語で筒状を意味する「ルーロー」ブレスレット。
滑らかな着け心地と、スタイリッシュなデザインが特徴です。
もちろん現行モデルもライダータブの交換は可能ですよ。

・ナビタイマー

初代ナビタイマーは
1952年、“Aircraft Owners and Pilots Association”
通称AOPA(国際オーナーパイロット協会)より
協会会員向けの時計として開発されました。

写真の初代ナビタイマーに記されたロゴはブライトリングのロゴではなく、AOPAのロゴ。

こういったところからも“プロフェッショナルのための計器“が感じられます。

クロノマットに搭載された対数式計算尺を
航空用に対応させた航空用計算尺が搭載されています。

航空用計算尺とクロノグラフを組み合わせることで、
平均速度や飛行距離、燃料消費量上昇・下降率、距離単位変換といった
フライトプランやナビゲーション上で必要な計算が可能になります。

名前の由来も、“ナビゲーション”+“タイマー” 
この時計にピッタリの名前ですね。

そしてこちらが2022年、ナビタイマー70周年を記念し発売された新しいナビタイマーです。
回転計算尺、バトンインデックス、3つのクロノグラフカウンター、
操作のしやすい刻み入りベゼルなど、
ナビタイマーのアイコニックなデザインはそのままですよね。

基本のデザインを大きく変えずに
刷新され続けてきたところもナビタイマーの魅力です。

大きな変化としては、
初代ナビタイマーと同じAOPAロゴが採用されたことです。
平らになった回転計算尺やドーム型サファイアクリスタルガラスが
更にクラシックさ加え、ナビタイマー70年の歴史を称えたモデルに仕上がっています。

・プレミエ

プレミエはプロフェッショナルのために時計を作り続けてきた
ブライトリングの中では珍しい、エレガントな雰囲気。

1940年代にブライトリング初のエレガントウォッチとして登場した「プレミエ」のデザインを継承したモデルで、
クロノグラフを搭載しつつ上品で優雅なデザインに仕上がっています。

プレミエのカウンター、よーく見てみると3分ごとに大きめの目盛りがあるのがお分かりでしょうか。
これは“テレフォンユニットカウンター”といいます。
当時、通話は郵便局から3分単位で料金を支払うシステムが主流でした。
なので3分ごとに目盛りがあると残り通話時間を知ることができ便利だったんですね。 1940年代の時代を感じられるこのディテールが
クラシカルさを演出しています。

クロノマスターオリジナル

ここからはブライトリングから少し趣向を変え、ゼニスをご紹介!

「エル・プリメロ」という名前をご存知でしょうか。
時計がお好きな方ですと、もちろん知っているよという方が多いかと思います。

ゼニスは1969年に自動巻きクロノグラフムーブメント、
このエル・プリメロを発表します。

エル・プリメロはクロノグラフの傑作ムーブメントとの呼び声も高く、
1980年代後半から2000年頃にかけてロレックスに
このムーブメントを供給をしていたことは有名ですよね。
過去にはブルガリやウブロといったブランドでも採用されてきたことから、
エル・プリメロの完成度や評価の高さを
感じていただけるのではないでしょうか。

また、エル・プリメロは伝説的なエピソードも持っています。

1970年代に起きたクォーツショックのあおりを受け機械式時計の生産の中止が命じられます。(安価で精度の高いクォーツウォッチは瞬く間に注目を浴び、機械式時計が苦しくなった時期があったのがクォーツショックです。)

ゼニスもそのあおりを受け、機械式時計を作るための機械や工具は全て破棄することが決定されてしまいました。

しかし、その時工場長であったシャルル・ベルモは、機械式時計が再び脚光を浴びる日がくると信じ、機械や工具を自分の手でゼニス工房内の屋根裏部屋に隠したのです。
更には時計の製造工程をすべて自分のノートに記録し、クロノグラフの設計図や仕様書を分別し、ファイルしました。

やがて、1980年代になると職人の手作業の技や芸術性が見直され、
機械式時計の需要が回復してきました。

さらに1982年にはエベル社とロレックス社からエルプリメロムーブメントを採用したいとの申し出もあり、ゼニスは製造再開を検討します。

しかし、一度機械や工具は全て破棄したつもりでいたゼニス。

一からそのムーブメントを作り直すとなると費用は天文学的数字になると予想され再開は困難と判断されました。
そのときシャルル・ベルモが口を開き、秘密を明らかにし、隠していた機械や工具、設計図を会社に返却し、1984年には製造再開が決定。エル・プリメロは復活したのです。

機械の評価はもちろん、このような伝説的なエピソードがエル・プリメロの人気を不動のものにしたのです。

会社に多大な貢献をしたシャルル・ベルモさんに特別ボーナスはあったんでしょうか。サラリーマンの私はそんなところが気になってしまいました(笑)

まとめ

クロノグラフは時間を見るだけでなく、
科学の研究や、モータースポーツ、航空機、軍事など
クロノグラフは様々な用途で使われてきました。
今では実際の用途で使われることは少なく、デザインの意味合いが強いですが
実際に使われてきた歴史を振り返ると、なんともロマンを感じませんか?
色々語ってきましたが、クロノグラフは男のロマンなのです。
カミネでは今回ご紹介したブライトリングやゼニスはもちろんのこと
数多くのクロノグラフ搭載時計を取り揃えております。
専門知識を持つスタッフが丁寧にご接客、解説させていただきます。
是非、店頭にお立ち寄りくださいませ。

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COLUMNコラム

篠田哲生

最高峰の時計ブランド「パテック フィリップ」の魅力とは何だろうか?
数々の仕事を通じてこのブランドに出会い、魅了され、遂にはユーザーとなったライター、ウォッチディレクターの篠田哲生氏が、自身の目と経験から感じた、"パテック フィリップのこと"について語る。

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