KAMINEスタッフブログ

ブルガリファクトリーツアー 《時計の聖地へ訪問》NO.3

ブルガリファクトリーの2日目はいよいよ時計の聖地ヴァレ・ド・ジュウへ向います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジュウ渓谷は高級機械式時計の聖地と言われ、有名時計メーカーの製造工場が

この渓谷の中心のジュウ湖周辺に集まっています。

オーデマ・ピゲ、ジャガー・ルクルト、ブランパン、ブレゲ等、錚々たるファクトリーがあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし今回は敢えてマニアックな所を道すがら撮ってきました。

写真左は伝説の独立時計氏フィリップ・デュフールさんのアトリエ。

元々時計学校だった建物です。

右の上はデュフールさんの愛弟子ローマンゴティエさんのアトリエ。

ゴティエさんは若手の最注目株で2013年にはチェーンフィジーの傑作ロジカルワンでジュネーブの

時計グランプリを獲っていますし、実は、このヴァレ・ド・ジュウにファクトリーを構える

某メジャーブランドの製品開発にも関わっています。右下はKIF社と言いまして、ロレックスなどが

採用しているテンプの耐震装置“キフ”のメーカーです。キフやインカブロックは

耐震装置の仕組みの名前と思っていたのですが、開発した会社名でした。勉強になります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  『ブルガリマニュファクチュールドオートオロロジー』

もとはジェラルドジェンタとダニエルロートの工房として長年に渡り名作を生み出して来ました。

トゥールビヨンは勿論の事、特に鳴り物系のグランドコンプリケーションを数多く制作してきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ファクトリーの責任者ニコラさんと通訳の中村さんに案内して頂きました。

 

 

最初に開発部門。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

此方ではデザイナーがデザインしたムーブメントを実際に試作し、

きちんと駆動するのかを検証する部門です。新型ムーブメントや新機構のモジュールなどは

全て此方で開発がスタートされます。

こちらの工房で製作するムーブメントはコンプリケーションが多く、地板、パーツ等、

どれも複雑極まりないものばかり。

NC旋盤で出来ないような細かく複雑な切削はワイヤー放電加工機で行っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

切削されたパーツは熱処理で内部構造を安定させ高度を高めたり、セラッミクの粉末と

銅などを混ぜた釜でバリ取りをするなど様々な下処理を施します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《仕上げ、デコレーション》

これまでの行程で精密に仕上がった各パーツを、最終的に熟練工の手で面取り、

デコレーションを施していきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ペルラージュ、コートドジュネーブなど地板やブリッジ類に施す伝統的な仕上げ装飾。

写真右のように仕上げ前と後では、美しさがぜんぜん違います。

名作ルミエールの地板は限界までスケルトン加工されますが、複雑に切り出された地板にも

細部まで装飾が施されます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こちらの職人さんはトゥールビヨン用のテンワの仕上げをしています。

仕上げの加工具合が時計の精度にも影響を及ぼすパーツなので究極の技術と加工精度が求められます。

仕上げ用のヤスリたちは独自の形状に加工され、使いやすいようにアレンジされています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

また、こちらの職人さんはミニッツリピーターのパーツの仕上げをされていました。

しかも、オクトフェリッシモミニッツリピーターのパーツです。複雑カレンダー系や、

トゥールビヨンと違い、スティール製のバネ部品や特殊な形のギアが多く、仕上げも難しそうです。

世界最薄のミニッツリピーターだけあってパーツもきわめて小さく1mm位のものまであります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第3部はここまで。

次回はファクトリーツアー最終回!

コンプリケーションウォッチの組み立て風景を

ご紹介いたします。

 

 

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COLUMNコラム

篠田哲生

最高峰の時計ブランド「パテック フィリップ」の魅力とは何だろうか?
数々の仕事を通じてこのブランドに出会い、魅了され、遂にはユーザーとなったライター、ウォッチディレクターの篠田哲生氏が、自身の目と経験から感じた、"パテック フィリップのこと"について語る。

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