KAMINEスタッフブログ

2013年8月末~リシャール・ミル ファクトリー~ トアロード店 栖川の訪問記 PART1

今回のファクトリーツアーはリシャール・ミル本社 オロメトリーSAと隣接するヴァルジンSA、それと後述するプロアートSAの3社を訪問する内容で、スイス2泊の弾丸ツアーでした。

1日目。先ずは、午前の座学からスタート。
リシャール・ミル氏自身の経歴からを学びます。
兵器からレーシングカーまで制作を行っているマトラ社を経て、
モーブッサン時計部門の社長へ。
その後、リシャール・ミルSAを設立。
現在のリシャール・ミルの素材や考え方にそれらが発想のベースになっていることは安易に考えられます。

オロメトリー社 社内

その後、オロメトリー2階の渡り廊下を通り、ケース工場

プロアート社

リシャール・ミル専用ケース工場
ここで超絶的なリシャール・ミルのケーシング作業が行われています。

ケース素材毎に、堅さも何もかも異なるので、莫大なデータ検証を素に、膨大な時間をかけ、プログラミングを行います。
時計のケース製造というより、科学技術の開発工程のような作業です。

世界に実質可動する、1台しかない五軸切削(5D)マシーン。

これを駆使し色々な素材の塊をケースへと加工していきます。
ありえない形状のケースが生まれます。

従来の工房では手作業に非常に手間をかけますが、
しかし、ここではプログラミングに非常に手間をかけます。


そのプログラミングに応じられる超精密で破格の工作機械を駆使することで全く新しいジャンルの高級時計が生まれるのです。

カーボン・ナノチューブ ケースの切削工程

カーボン・ナノチューブの裏蓋。

ヨハン・ブレイクRM059-01のものです。
この緑色は着色

RM011のインナーケースとチタン・アウターケース仕上げ

全てのパーツ、ケースがプラモデルを組み立てているかのように、はめ込みを実際に試してみると完璧に隙間なくセットできる。

その緻密さに驚嘆する瞬間です。

パーツごとのマッチングが芸術的に構成される、リシャールの時計構造は、完璧に接合するパーツ群から構成されます。

更に、ケース内文字盤や表面に組み込まれるサファイヤクリスタルの造形もミクロの接合性を有します。

ヨハン・ブレイクのケースを抜いた後、残っている方の量が多い。

贅沢な工程です。

ナダル用ケースの切削工程。

RM011チタンケースの研磨
チタンは細いシリコンチューブの塊から出来た硯石で磨く。

この続きは、PART2へ!
楽しみにお待ちください。


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COLUMNコラム

篠田哲生

最高峰の時計ブランド「パテック フィリップ」の魅力とは何だろうか?
数々の仕事を通じてこのブランドに出会い、魅了され、遂にはユーザーとなったライター、ウォッチディレクターの篠田哲生氏が、自身の目と経験から感じた、"パテック フィリップのこと"について語る。

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