Patek Philippe Floorブログ

羨望の処女作!ノーチラス3700/1A

羨望の処女作!


これが1976年に発表されたパテック フィリップ
ノーチラス 3700/1Aです!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こちらは、あるお客様がオークションで入手され
パテック フィリップにメンテナンスに出される前に
ご許可いただき、撮影させていただきました。

このモデルは程度のよいものだと、
軽く1000万円を超えて落札されます。

 

 

 

 

 

 

 

 

過去42年に亘り、ノーチラスは約30種類発表され
中には極めて短い生産期間で姿を消したものもあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この3700/1Aは、当時にしては
かなりのビッグサイズであったため、少し売れにくかったモデル。

しかし今となっては
そのケース径・厚みは抜群に洗練された
バランス感で、新鮮さすら感じさせます。

特徴はその薄さ。
文字盤とガラスの極めて狭いスペースを
薄い針がインデックスの上を這うように運針していきます。

これで12気圧の防水性を持ち、しかも自動巻。
当時としては、驚きのスペックだったと思われます。

 

 

 

 

 

 

 

3700/1A3800/1Aとの2ショット。

3800は弊社社長の私物。
3針という事もあり、文字盤とガラスの隙間は
少し深め。

比較してみると、3700のケース径の方が
明らかに大きいのがよく分かります。
3700は、現行の5711とほぼ同じサイズでした)

 

 

3711_3800

 

 

 

 

 

 

大きさには、それなりの理由がありました。

こちらに搭載されるムーブメントは、
薄型のケースに収まるよう同じように薄型で
しかも巻上げ効率の良い自動巻であり

更には2ピース構造の為
リューズが抜けるジョイント式リューズでなければなりませんでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして採用されたのがCal.28-255Cですが
これはムーブメントだけで直径が28㎜ありました。

更に防水性を確保する必要があり、
ベゼルに幅広のパッキンをかませるために
このサイズが必然となったのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

左)3700
右)3800
3700はフェイスが大きい分、薄さが強調される事を
差し引いても、十分に薄いですね。

ちなみに3800にはCal.330 ASCという
少し小型の自動巻ムーブメントが搭載されています。

 

 

 

 

 

 

 

特筆すべき点がもう1つ。

ノーチラスは、手首に巻きつくブレスのしなやかさと
重量バランス、そして薄さが何と言っても魅力です。

通称「耳」と呼ばれる
ケースサイドの張り出し。

よく見るとベゼルとケース
2つのパーツが組み合わされ、
ネジで止められているのがわかります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2ピース構造のため、裏ブタはありません。

こちらのデザインを担当した
ジェラルド・ジェンタは、
スポーツウォッチといえども
エレガントな薄型ケースに拘りました。

しかし、防水性も持たせなければならない。

裏ブタをスクリュー式にして
3ピース構造にすれば防水性の問題は解決しますが、
薄型ケースではスクリュー式の裏ブタは支えきれず、
厚みを出さざるを得なくなる…

そこで、二枚貝のような蝶番(ちょうつがい)を設け
両側からスクリューシャフトで密閉する事により防水性を確保したのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この特徴的なデザインが結局40年以上続く
人気モデルのアイコンとなっているのですから
やはりジェラルド・ジェンタ
デザイナーとして時計史に残る天才だったと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジェラルド・ジェンタの最盛期に製作された
パテック フィリップのノーチラス。

黄金比に基づくシンメトリーであり
時計・ブレスレット全体に無駄のない、整合性・バランスのとれた秀作。

この基礎条件が今もベストセラーであり続ける理由の一つなのです。

 

 

カミネ・トアロード店2F
パテック フィリップ・フロア 情報は >> コチラ

PATEK PHILIPPE 2018 NEW COLLECTION in
カミネ トアロード本店 2F パテック フィリップ・フロア情報は >> コチラ

フリー点検サービス特別キャンペーン
2018.6.21(木)~6.24(日)開催
この機会に、是非 ご愛用のパテック フィリップ製品をお持ち下さい。

 

記事カテゴリー

COLUMNコラム

篠田哲生

最高峰の時計ブランド「パテック フィリップ」の魅力とは何だろうか?
数々の仕事を通じてこのブランドに出会い、魅了され、遂にはユーザーとなったライター、ウォッチディレクターの篠田哲生氏が、自身の目と経験から感じた、"パテック フィリップのこと"について語る。

連載コラム一覧

<< 前の記事
パテック フィリップの高い芸術性
UPDATE: 2018.06.12
次の記事 >>
ホールディングクラスプ(Dバックル)のご用命、承ります。
UPDATE: 2018.07.17
LINE

LINE友だち追加して
お問い合わせ