Patek Philippe Floorブログ

「難しい機構を如何にシンプルに見やすく表現するか」

それはパテック フィリップの長年に亘る時計作りのテーマのひとつです。

写真は今年 大変高額なエスティメートのついた1970年代のRef.3448
“センツァ・ルナ”と呼ばれる名作、永久カレンダーモデルです。

»»»(引用 HODINKEEより)

ダイヤル中央下にLEAP YEAR、つまり閏年を示す針とその外周で日付を指す針、その上部の窓には曜日と月(month)がディスクで表示されます。

本日ご紹介するのは、2017年発表されたRef.5320 永久カレンダーモデル。

それはパテック フィリップの伝統を継承したモデルです。

このモデルは6時位置のムーンフェイズに配された
ポインターデイトになっており、
そしてその両サイドの7-8時位置の昼夜表示、
4-5時位置の閏年表示を小窓で表示。

永久カレンダーを感じさせないすっきりしたダイヤル表示で
必要な情報を読み取りやすいようになっています。

Ref.5320のデザインは、1940年代のRef.1526、1962年から1981年にかけて
製造されたRef.3448から流れを汲んでいます。

Ref.3448のレギュラーモデルはパテック フィリップが最初に製造した
自動巻きムーブメントの永久カレンダーで37㎜という
当時としては大きめのケース径。
シャープで直線的なラグがヴィンテージらしいデザインです。

近年のRef.5320とRef.3448はインデックスや針の形は違うものの、
6時位置のムーンフェイズとポインターデイト、
12時位置の月、曜日表示から流れを汲んでいることが伺えます。
いずれも文字盤は小ダイヤルと窓の表示。
針やムーンフェイズとは別に4枚のディスクを制御するムーブメントの複雑さを
全く感じさせない見やすいダイヤルはパテックの真髄と言えます。

デザイン的には特徴のあるシリンジ型の時分針がまず目を引きます。
シリンジとは注射器の意で、ミリタリーウォッチ等に多い針の形ですが、
5320はアイボリーカラーのラック文字盤を用いることにより、
シックな文字盤にまとめあげられています。
更にケースも非常に特徴的で、2段のベゼルの1段目と2段目の間に
3つのスリットの入ったラグが付いているという凝りようです。

この2段ベゼルとスリットの入った立体的なラグは、1961年に3本だけ製造されたという3449の3段ベゼルを思い起させるようなデザインです。

パテック フィリップの歴史ある永久カレンダーの中で、
その伝統を受け継ぎシンプルに見やすく設計された5320は、
過去モデルを踏襲しながらも近代的なデザインに仕上げられています。

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