クロノメトリーブログ

グランドセイコー「究極の技術から生まれた、新世代ムーブメント」SBGY013-白銀の御神渡り

皆様はグランドセイコーをご存じでしょうか。

1960年、既にスイス製が高級腕時計の代名詞とされていた当時、それまで培ってきた時計技術の粋を結集して「世界に挑戦する国産最高級の腕時計をつくる」という志のもと、グランドセイコーは誕生しました。

「初代グランドセイコー」は、日本国内で初めてスイス・クロノメーター検査基準優秀級規格に準拠したモデルとして発売されました。その高い品質と精度は、時計界に大きな衝撃を与えました。当時の発売価格は25,000円。この価格は当時としては破格の高級品であったことがうかがえます。

そして1969年に世界初のクオーツ式腕時計「クオーツアストロン」がセイコーより発売されることにより、低価格で正確な時間を知ることができる為、クオーツ時計は瞬く間に世界中に普及していきました。

77年にはセイコーはソーラー式のアナログウオッチも発売し、90年にはドイツで電波腕時計が生まれました。

これらの高精度な腕時計は、通常、電池や光、電波などの「外部要因」に依存しており、完璧とは言い難いものです。しかし、セイコーは理想的な腕時計技術を追求し、外部に頼らずに高い精度を実現することを目指しました。そのために生まれたのが、「機械式ムーブメントをクォーツ回路で制御する」という革新的な技術です。

新世代ムーブメントは「スプリングドライブ」と名付けられました。手巻き式のムーブメントと同じく、ぜんまいを巻き上げて歯車を回す力を利用していますが、その際に発電し、水晶振動子とICを駆動させることで、歯車の回転速度をコントロールする仕組みを備えています。外部のエネルギー源に頼らずに、機械式ムーブメントとクォーツ技術を組み合わせることで、緻密な時間の測定を可能にしました。

商品化されたのは1999年、手巻きスプリングドライブである「Cal.7R68」。当時は「新世紀メカニズム」という呼び名を用いた。表面に美しい仕上げを施し、シースルーバックから鑑賞できるようにしていました。

そして、2019年にはキャリバーが進化し、デュアル・スプリング・バレルと呼ばれる新機構「Cal.9R31」が発表されました。

Cal.9R31はCal.9R02と同じコンセプトで開発された、「信州 時の匠工房」製の手巻きスプリングムーブメント。ひとつ香箱の中に、2つの動力ぜんまいを用いたデュアル・スプリング・バレル機構によって72時間のパワーリザーブを実現しています。

そのCal.9R31を搭載し話題を呼んでいるのがSBGY013、通称「白銀の御神渡り(おみわたり)」です。

御神渡り(おみわたり)とは、長野県にある諏訪湖でまれに起きる神秘的な自然現象です。

冬の寒さが深まれば諏訪湖の湖面が凍結し、その際にできる巨大な稜線が神道の神である建御名方神の道筋とされることに由来しており、一瞬にして氷に亀裂が入った跡から「神の通り道」と表現しています。

この新しい白銀の文字盤に加え、SBGY013にはもうひとつ大きな特徴があります。それは、御神渡りのケースとしては初となる9連ブレスレットが装着されたことです。エレガンスコレクションのケースデザインにふさわしい細やかな九列ブレスを採用し、大胆で力強い自然の情景を感じる文字盤とのバランスが絶妙です。

SBGY013
Elegance Collection 

1,155,000 円(税込)
ケースサイズ:38.5mm
ムーブメント:9R31
駆動方式:スプリングドライブ手巻
駆動期間:最大巻上時約72時間(約3日間)持続
精度:平均月差±15秒(日差±1秒相当)
防水:日常生活用防水
https://www.kamine.co.jp/item/34320

今回はグランドセイコーのキャリバー9R31とそれを搭載したSBGY013について書かせていただきました。ご紹介させていただいた9R31に限らず、数多くのムーブメントを開発し、今では世界で最高レベルの実用腕時計ブランドとして多方面から評価されています。

グランドセイコーの世界トップレベルの技術力、かつ「日本の美意識」を具現化したデザインから更なる期待が高まります。

Grand Seiko(グランドセイコー)時計コレクションhttps://www.kamine.co.jp/watch/grand-seiko/

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COLUMNコラム

篠田哲生

最高峰の時計ブランド「パテック フィリップ」の魅力とは何だろうか?
数々の仕事を通じてこのブランドに出会い、魅了され、遂にはユーザーとなったライター、ウォッチディレクターの篠田哲生氏が、自身の目と経験から感じた、"パテック フィリップのこと"について語る。

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