A.LANGE & SÖHNEブログ

A.ランゲ&ゾーネ ヒストリー 第二幕

「復活」という言葉は時に人をワクワクさせます。
昔好きだったものやコンテンツが復活するとなった時は
多幸感が押し寄せてくるのではないでしょうか。
時計業界でも待ち望まれた復活が実現したシーンがあります。

それは、ドイツ名門ブランド「A.ランゲ&ゾーネ」の復活です。

1845年に創業。ドイツ精密時計界を牽引し、軌道に乗せたものの
終戦後1948年に社会主義国東ドイツに接収され一度消失した同ブランド。
この歴史は前回の記事でも詳しく説明しておりますので
まだ読んでいらっしゃらない方は是非こちらの記事も見て頂けますと幸いです。
https://www.kamine.co.jp/blog/alange-and-sohne/2021/12/18/langerekishi/

ブランドが復活したのは1990年。

消失から42年もの歳月がかかりました。 復活の立役者は
創業者アドルフ・ランゲの曾孫にあたる「ウォルター・ランゲ」。

1924年にグラスヒュッテで生まれたウォルター・ランゲは
寄宿学校在学中から時計師としての道を歩むことを望んでいました。
幼いころから父、ルドルフ・ランゲが工房に向かうのについていくのが好きだったというウォルター。
このまま順風満帆に一族と会社は繁栄すると思われましたが、
実際に待ち受けていたのは険しく厳しい時代の潮流でした。

ウォルターが17歳の1941年にはオーストリア東部の町、カールシュタインにある名高い時計師養成学校に入学しました。
しかし時代は第二次世界大戦真っ只中。一旦学校は中断されましたが
終戦後に卒業します。冒頭でも少し述べていますが、
1945年は空襲の影響を受け本社は崩壊、一族で力を結集し再建を図っていた頃。そんな矢先、ソビエト占領地区内にあった会社が東独政府に接収され、
A.ランゲ&ゾーネというブランドが消滅。事業は中断されてしまいます。

1989年には皆様ご存知の通り、ベルリンの壁が崩壊します。
ドイツの東西分断の終焉は40年以上におよび事業中断を余儀なくされた
空白の時代の終末でもありました。
当時既に65歳となっていたウォルターですが抱き続けた夢を実現するチャンス、すなわち一族の時計工房をグラスヒュッテに再建する
千歳一隅の好機だと判断します。

左:ウォルター・ランゲ 右:ギュンター・ブリュームライン

ブランドの再建を果たすのに必要であると考え、
ウォルターはドイツ人で当時IWCの社長をしていたギュンター・ブリュームラインを迎えます。
両ブランド、ドイツとスイスの国境付近に位置していたためこれは実現しました。

時計も従業員も社屋も何もない状態からスタートした再建計画ではありましたが、1992年には最初の特許としてアウトサイズデイトを出願します。
創業者アドルフ・ランゲが開発に携わった5分時計が礎になっているこの機構を最初に出願したのはアドルフ・ランゲの人格と価値観がA.ランゲ&ゾーネの精神的基盤であり、原動力となったからでしょう。

そしてその2年後に復活コレクションとして発表されたのが、「ランゲ1」「アーケード」「サクソニア」「トゥールビヨン“プール・ル・メリット”」の4ライン。今も現行モデルが発表されているモデルもあり、変わらずアウトサイズデイトが搭載されているところは過去への敬意を感じると同時に昔から正確さを持っていたのだなと感心します。

また、ランゲの時計の写真は必ず「25日」に合わせられています。
これは復刻した日付が10月25日ということにちなんでいます。

待ち望まれた復活はこれまでに培った丁寧な仕上げと技術力で瞬く間に成功し、今日時計業界を代表する一流ブランドになりました。
端正なデザインながらもムーブメントや部品への装飾は非常に美しいというさりげない仕上げの見せ方が渋い、A.ランゲ&ゾーネの時計を
是非店頭でご覧くださいませ。

今回は前回に引き続き大変ざっくりではありますが、
A.ランゲ&ゾーネの歴史 第二幕をご紹介致しました。
次回以降もランゲの魅力をたっぷりとご紹介していきますのでお楽しみに!!

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篠田哲生

最高峰の時計ブランド「パテック フィリップ」の魅力とは何だろうか?
数々の仕事を通じてこのブランドに出会い、魅了され、遂にはユーザーとなったライター、ウォッチディレクターの篠田哲生氏が、自身の目と経験から感じた、"パテック フィリップのこと"について語る。

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